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君とどこまでも

お久し振りです。七五三だから折角おめかししてるのにお仕事一杯で帰って来ない執務官へ『金/髪メス/豚/野郎』と罵りメールを数百通愛娘が送りつけ、読んだパパが号泣しちゃうハートウォーミングな家族の心の交流を描いたストーリーを七五三の日に。と考えてたけど書けませんでした。すいません。

嘘です。

一時期、ワイドショーの話題を独占していたあの人の言葉をちょっと言ってみたかっただけ。子供はすぐに汚い言葉を真似したがるから無闇に使っちゃダメだよ。

本当は、ある話に興奮して拍手に叩き入れようと書き殴ったものの、我に返ったら、あのかわいい話を貶める行動だと気付き撤収しました。しかも体験談等を交えて調子に乗ってたら思ったより長くなった。そんなモノを書いてました。こんなもの叩き込まれたら本当にいい迷惑ですね。はい。やめて正解でした。でも折角考えたしぃ~。って事で下からドライブのお話です。私もそんなに詳しくないので変なところあっても許してね。

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良い天気が続いていた最中、突然出来た休日。

ドライブに行きたくって、なのはを誘ってみたけれど、忙しい彼女にこの突然の申し出は無理だった。

仕方ないので、暇そうにしていたシグナムを誘うと、一も二も無く承知された。

本当に暇なんですね。シグナム。

私はそんなシグナムをドライブがてら迎に行くため車へと向かう。

最近、忙しかったから、ドライブも久し振り。

しかも、今日のドライブはいつもとちょっと違う。

乗り慣れたあの子も良いけれど、本日のデートのお相手はかわいいミニ。

ボディーカラーは綺麗なグリーン。

白いお屋根はクーパーの証拠。

鼻歌なんか口ずさみながら、この小さな車へ乗り込む為にドアへキーを差し込む。

が…入らない。

「…また、間違えちゃった…」

ミニには鍵が三つある。

ドアと燃料キャップとイグニッションのキー。

三本ならまだいいほうだ、古いのになるとトランク用にもう1つ増えて4本になるらしい。

どうしてそうなったか?

簡潔に言えばセキュリテーのためだ。

しかしこの場合、問題は鍵の数ではない。

イグニッションキーは大きいから間違えにくくていいんだけど…

ドア用と燃料キャップ用を私はよく間違えてしまう。

今度は鍵をよく確認してから差し込む。

うん。間違いなし。

私はドアを開けると小さな車体の中へ乗り込んだ。

シートに身を沈めた私はイグニッションキーをシリンダーへ差込み……

君のハートをドライブイグニッション!

掛け声と共にまわした。

やっぱりこれをやらないと始まらないよね?

途端にエンジンの小気味良い振動が身体に伝わってくる。

うん。うん。今日のご機嫌は良いみたい。

暖機運転をする間に、助手席のドアの鍵を開けておく事を忘れてはならない。

この車には集中ドアロックなんて便利なものは付いて無いので、この事は後々、ある行為をスピーディーに行うために必要なのだ。

暖機運転も終わったので、シグナムとの待ち合わせ場所へ車を走らせる。

待ち合わせ場所では、この車に乗るのが私だとは気付かぬシグナムが、いつもの車の姿を探している。

そんなシグナムの前へ停車させると私は車から降りて彼女へ挨拶をした。

「おはようございます、シグナム。ドライブ日和の良い天気ですね」

「テスタロッサ?」

見慣れぬ車から出てきた私に驚いているシグナムを尻目に、助手席へ回ってそのドアを開けてやる。

「どうぞ、シグナム」

「あ、ああ…すまない」

シグナムは素直に感謝していたが、ドアを開けてやったのには理由がある。

けっして私が紳士な行動を取ったわけではない。

この車のドアノブは今の車とは異なっており、知らない者はドアを開けて乗り込むことが出来ない。

なので、この車を所有する者は自然とこのような行動が身に染み付いてしまうわけなのだ。

流石は紳士の国、英国。

大英帝国が誇るこの大衆車によって、自然と紳士な態度を身に付けてしまうわけだ。

まあミニに限らず、古い車全般はそうなんだけどね。

シグナムが乗り込むのを確認した私は、助手席のドアを閉めると運転席へ乗り込みアクセルを踏む。

私達は目的地の無いドライブへと走り出した。

「…すいません…」

「…いや…気にするな」

小柄とは言えない私とシグナムが乗り込むとシフトチェンジの時、気を付けなければ肘と肘が触れ合ってしまう。

コンパクトな車体に似合わず、ミニの1速は遠い。

それも肘がぶつかってしまう原因のひとつだ。

「あっ!」

「どうした?テスタロッサ」

暫くして私は助手席の鍵をかけ忘れていたことを思い出た。

やっぱり鍵は閉めたほうが安全だよね。

私達みたいな仕事をしていると、いきなり賊が入り込んでくる事も念頭に置いておかないと。

「鍵かけ忘れてました…ちょっと、すいません」

丁度、上手い具合に赤信号で停まったので、その隙に運転席から腕を伸ばし助手席側の鍵をかける。

ミニはちょっと手を伸ばすだけで助手席へ手が届くから便利だよね。

鍵を閉める時に接近したシグナムの顔は何だかすごく赤かった。

風邪かな?

「ヒーターを入れましょうか?直に吐きそうになるくらい熱くなりますから、待っててください」

「い、いや。案ずるな。大丈夫だ」

遠慮しないでいいのに。

「…しかし…この車、なかなか良いものだな」

レギュレーターハンドルをグルグル回してパワーウィンドーの付いてない窓を少し開け、ヒーターのスイッチをいれた私の耳に、シグナムがミニを褒めているのが聞こえてくる。

「このシートも思ったより座り心地は悪くないな」

「わかってくれます!?」

「ああ…何だかいつもと視点が違って…その…この車も嫌いではない」

シグナムはミドリちゃんのこと好きだって!

「さっすが、シグナム!このシート。コブラのに換えてみたんです。あと、このミニは1300のキャブ車で短期間しか生産されてない希少車なんです。見てください。レスレストンの革巻きステアリングに付け替えちゃいました。これ高かったんですよ。モトリタと迷ったんですが、丁度これが手に入ったので…ウッドも候補にあったんですがウッドって滑るでしょ?それにやっぱ危ないかなって…」

「危ない?エアバックが付いていないなら、どれも同じようなものではないのか」

「それが違うんですよ。ウッドステアリングはウッドだけに、事故ると折れて刺さるらしいんです」

「さ、刺さるのか?」

「みたいですよ」

「それは…物騒だな」

「ええ、なので、使用感からも革にしようかなって…まあ、それもこの車の安全面を考えると、ほんの気持ち程度ですけどね。あと、他にもバネルをウッドにするか革にするかで、迷ったんですが、ステアリングが革だったので革にしたんです。メーター類はスミスの買っちゃいました。もう色々奮発して、先月のお給料ミドリちゃんにつぎ込んじゃいました。でもセンターマフラーはちょとくどいかなと思って、マフラーはそのままなんですけど、やっぱセンターがいいと思います?…そういえばこの前、色んなパーツをネットで物色していたら、車の電圧安定装置で『雷神』なんて商品を見つけちゃいました。シグナムは知ってました?」

「いや、聞いたこともなかった……すまないテスタロッサ…お前の言ってる意味がさっばり理解できないんだが…」

「ああ…よく言われます。で、ですね?ミニの一番凄いところは、それまで、FFでは通常、縦置きだったエンジンを横置きにして、コンパクトなエンジンルームを完成させたって訳です。現在の小型車が殆ど横置きエンジンだと考えると、どれだけ画期的な事だったかおわかりでしょうか?どうです?凄いでしょ?ミドリちゃん偉い。えへん」

「…話がいきなり飛んでる上に、何故、造ってもいないお前が得意そうな顔をする?あと、気になっていたんだが、ミドリちゃんとは…まさか…この車のことか?」

「そうです。この子の名前ですよ。ミドリちゃん」

「ミドリの車体だからと言え、少し安直過ぎるのではないか?確か、あの黒いほうは…」

「ええ、クロミちゃんです」

「お前のネーミングセンスはどうかと思うぞ?」

「はやてだってユキちゃんだったじゃないですか」

「主はお前に勝手に付けられたと嘆いておられたが?違ったか?」

「そう…でした」

「まあ、まだ「シロ」や「ホワイティ」よりマシな名前だったと仰られてもいたがな」

「あう…」

そう、はやては免許を取って暫くの間、白い空冷ビートルに乗っていた。

白だから『ユキちゃん』と私が命名した。

4シーターの白いカブリオレ。

VW『TYP-15』

…つまりはカルマン製。

だからなのか、ぼったくられたのか。

幌とか雨漏りで結構なボロだったのに、中々の値段だったらしい。

あの姿形から、南米のほうでは私の大嫌いなアイツ…大ゴキブリ『フスカ』なんて呼ばれてるんだよね。

それが言い得て妙な気がするのは何故だろう?

いや…嫌いじゃない。

嫌いじゃないよ?むしろ好きな車だよ?

だけど妙に納得してしまう。

丈夫で壊れ難いところとか…どこにでもいるところとかも。

なんたってドイツの悪名高いあの人が「前から攻撃受けても停まらない車」ってことで開発されたらしいし。

他にも色々条件とか理由はあるみたいだけど、RRを選んだ大きな決め手はこれらしいと私は聞いた。

そりゃあ、後ろに全部集めて前には何にも無けりゃ、普通に前を攻撃しても動くよね。

しかし、あの通称ビートルという車は厄介で、丸い車体はとても取り回しが難しかった。

ビートルって後ろも前も車体がよく見えないから感覚でやるしかなくって車庫入れが大変だったのを覚えている。

しかも丸いから感覚掴み辛いし。

ギアの距離がミニの比にならないくらい長いから、ギアチェンジに小柄なはやては苦労してたっけ。

フロントウィンドーもそのままだと見れないから座布団で底上げしてたなぁ。

まあ、ユキちゃんはその前にフレームが曲がっていた事も問題だったんだよね。

だって気を抜くとすぐにキープレフトで脱輪しそうになっちゃうんだもん。

居眠り運転で自損事故してフレームが曲がっちゃって、それでも暫く走ってたんだけど、家族皆(特にシグナム)から「危ない」って非難されて泣く泣く手放したんだっけ…懐かしいな…バッテリーが上がって、呼ばれた時、二人で四苦八苦したのもいい思い出だ。

エンジンルームのどこ探してもバッテリーが見当たらなくって、あの時は焦ったよ。

だってバッテリーがリアシートの下にあるなんて誰が思い付くだろうか?

私が何かの雑誌で読んだ事があったのを思い出したから何とかなったけど、いくらRRで置き場所に困ったからってそこに置く?って感じだった。

あの時ばかりは、偉大なるポルシェ博士に対して「バカじゃないの?」と言いたくなったものだ。

あれもかなり…合理的な車だよね。

まあ…ぶっちゃけると…ミニもエンジンを横置きにしただけじゃなくギアボックスを二階建て…つまりエンジン下に置いて、エンジンオイルとギアを一緒に潤滑させて…小さい車体に場所がないから、バイクと同じ方式でエンジンとギアでオイル一緒に使っちゃえばいいんじゃね?ってオイル一緒なんだよね。

だからミニはオイルにシビアな車になっているんだけど…

うん…こっちも合理的…だ。

だからオイル交換を怠るとすぐにミニは機嫌が悪くなる。

なのに、オイルの交換だけで工賃やらで一万はしちゃう。

何気にガソリンはハイオクだし。

ミドリちゃんの金食い虫さんが!

「ヒッ…と、飛ばし過ぎだ!」

「ちゃんと法定速度ですよ?」

そう、車体も小さく車高の低いミニでは法定速度でも、なかなかにスリリングな体感速度を体験できる。

そして、ラバーコーンのサスペンションは路面のバンプをそのまま伝え。

重ステ(パワーステアリングなし)のハンドルは切れば直に反応を示した。

「ウグッ…ガッ!て、てすたろっさ…少々運転が荒いぞ…」

直に反応どころか…寧ろ、反応が良すぎるくらいだ。

しかしこれが停車中に動かそうものなら相当の気合いと覚悟が必要となってくる。

何故なら重ステのハンドルはうっかり気を抜いたまま動かそうとすると筋違いを起こし兼ねない程の重さだからだ。

なので車両が動いてない時のハンドル操作をしたくない。

暫く運転していると、前方の信号機が青から黄色に変わるのが私の目に飛び込んできた。

「ハッ!坂道途中の信号が黄色に!」

「ふう~。やっと停車か、一息つける…」

「アクセルオン!」

「なにぃ!?」

赤信号に捕まる前に信号を過ぎようと私はアクセルを踏み込んだ。

…だって、停車すると、2速に入れてからじゃないと1速に入りにくいから、発進するとき面倒臭いんだもん♪

「のあーーー!安全運転…安全運転ーーー!!!」

しかも坂道発進なんて以っての外。

オーバーヒートが怖いくらいの長い坂道じゃない限り、坂道発進はなるべくしたく…

否、しないようにする。

ミニは急に止まれない。

いや。目的地まで止まりたくない。

勿論、ブレーキの効きも悪い。

ミニってばそんな車だね。

「ふふふ、すごく楽しいですね。シグナム」

「私は楽しくない。降ろせ!今すぐ降ろしてくれ!」

ああ、かわいいミドリちゃん。

君とならどこまでも……

「で?二人で腰、痛いって…シグナムさんとこんな時間まで一体何してたの?そういえばフェイトちゃん。朝早くからデートだって嬉しそうに出かけて行ったよね?お相手はシグナムさんだったんだ…フーン…そう…」

誤解だよなのは。私のデートの相手はミドリちゃんだよ。

だから…

レイジングハートを構えるのはやめて欲しいな。

「ま、まて、高町なのは。誤解だ!話せば…話せばわかる!」

シグナム。こうなったなのはに何を言っても無駄ですよ?

「はい。二人共、じっくりお話しましょう……私のやり方でね!」

アハ☆やっぱり?

なのはの温かいピンクの魔力光に包まれながら私の頭へある先人の言葉が過ぎる。

――ミニでの長時間ドライブは禁忌である――

そして、その禁忌を度々犯す学習しない生き物が人である。そう、私は身をもって学んだ。

~おわり~

私はそこまで腰が痛くなったことは無いです。フェイトさんは内装を色々やる前にサスとショックアブソーバー交換すればよかったですね。あのガクガクな乗り心地がいいってのもあるけどね。あと、レスレストンとスミスはやっぱりドリームだよね。

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